リオン・ウェアの新作『A Kiss in the Sand』は、全編ボサ・ノヴァのラテン・フレイヴァー溢れる意欲作だ。いい意味で脱力したサウンドと官能的なヴォーカルがマッチしていて心地よい。
大物のマルコス・ヴァーリと共作したタイトル曲もいいが、今回取り上げる「Hearts Alive」には、ここでもおなじみの、熱狂的ファンが高じてリオン・ウェアの親友にまでなってしまったKANAFU MARIEさんが参加している。共作・共演でデュエットまでしているのだから本当にスゴい。
KANAFUさんの声はチャーミングで軽快なサウンドになっているが、リオンの声には陰りがあり、それが曲に深みを与えている。そんなKANAFUさんとリオンの歌の対比が面白い。それを支える、フルート、ガット・ギター、パーカッションのアンサンブルも見事だ。