Mercuryから77年にリリースされた、隠れ名盤『The Fantastic Chi-Lites』がP-VINEからCD化された。
ユージン・レコードが不在とはいえ、なかなか粒ぞろいの傑作のわりには、まったく注目されていなかったので嬉しい限り。
この曲は、まさにスウィートな泣けるナンバー。ソフトなバリトンの出だしからファルセットにタッチして、サビで重厚なコーラスになるという必殺パターンだ。間奏のハーモニカはスティーヴィー・ワンダー。同じハーモニカをフィーチャーしたスロー・ナンバーの代表に「Oh Girl」があるが、浪花節的な臭さがない分、こっちのほうが好きだ。
作者には、スピナーズ「I'll be around」で有名なフィル・ハートも名を連ねていて、プロデュースはリチャード・ローム。
さらに傑作なMercuryでの前作『Happy being Lonely』も、ぜひCD化していただきたい。こちらはTOM TOM 84プロデュースのシカゴ録音だ。