マーヴィン・ゲイなら、『What's Going on』より、断然『I Want You』というエロい人なら、この曲の奥深さが分かっていただけるだろう。
これといってキャッチーなメロがあるわけでもないんだけれど、全体を支配するメランコリックな雰囲気は、そんじょそこらのアーティストには出せるものではないし、マーヴィン・ゲイ&リオン・ウェア・コンビの貫禄勝ちといったところ。メロはないがメラはある。
マーヴィンのひとり多重録音コーラスに女性のあえぎ声。そして肝なのが、この絶妙なテンポ。作者のリオン・ウェアの面目躍如となる官能ソングの決定版だ。