CD復刻が望まれる、ドン・デイヴィスのプロデュースによる傑作アルバム『Gentlrman Ruffin』からのナンバー。モータウン時代の勢いのある作品もいいが、この時期の完成の域に達した円熟の作品群も見事だ。
80年という時代にマッチしたともいえる、アダルト・コンテンポラリー風味の落ち着いた曲調で、あえて抑えたヴォーカルも魅力的。とはいっても、官能的だったり熱かったりして、曲のフォーマットからはみ出してしまいそうなあたりはさすが天才シンガーだ。
短くても爆発しそうなサビは何度聴いても惹きつけられるし、その後に転調して女性コーラスがかぶるあたりも心地よくて、ドン・デイヴィスの懐の深さにも感心する。